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ふるすまは本当に医療費を削減できるのか?

ども、ぽちです。

年末も押し迫っていますが、仕事がまだまだ終わりません。

海老名市立図書館が燃料をバカバカ投下してくれているようですが、あまりついて行けずとても残念です。

 

さて、ふるさとスマホもだんだんその実態が見えてきて、頼もしい限りです。

メルマガでもこんなふれこみのようですね。

もうね、某CEOのいい加減さは市長時代から知ってたつもりだけど、またひどい話だなと。

「1台2万円で600万が防げる」ってどういうことなんですかね。まさか糖尿病予備軍の人がみんな透析になるとか思ってんのか???と。

ま、そういう指摘をすると、彼は「あはは真に受けてる」って言うんでしょうけど。

それは余談として、ふるすまのウリの1つに「医療費削減で自治体の負担を軽減」っていうのがあったと思いますんで、ここはひとつ、透析医療とふるすま導入のコストについて、ざっくりとですが計算してみようと思ったわけです。

 

検討するデータはなるべく新しいものを、と思っていましたが、あちこちいろいろ入り交じってます。だいたい医者向けの専門書とか俺にはわからんし、というわけで、ネットにのっている数値の中で、ある程度信憑性が高そうなデータを選んでいます。この時点でざっくりすぎですけどね。

 

まず2012年の厚労省データで、さる地域の検診の採血をもとにカテゴライズし算出した結果では、全国に糖尿病が強く疑われる人が950万人、予備軍の人が1100万人いるんだそうです。2014年には糖尿病で治療中の人が316.6万人という数値も出ているので、600万人以上が治療を受けてないってのもすごい話ですけどね。

そんなところで、糖尿病予備軍は多く見積もっても全人口1.26億人の10%くらいってとこでしょうか。

 

さて、糖尿病の人が透析になるまでの経過ですが。

ちょっと古いですが、2005年に「予備軍のうち10年後に43%が糖尿病になる」というデータが出されていました。10年前の話ですし、多少状況は悪くなっていると考えて、「10年後に50%が糖尿病になる」として計算を進めることにしましょう。

さらに2013年には糖尿病性腎症が原因で透析を受けているひとは11万5118人という統計が出ています。予備軍1100万人に対して約1.05%ということになりますが(糖尿病になっている人も勘案すべきでしょうが、あくまで今回は「予備軍が透析になる医療費を削減する」という目的という視点から、かかる医療費を最大限に考えて行くためのプロセスにしています)、今後この割合は増えると思われます。これには2つ理由があり、1つは実際に糖尿病性腎症で透析を受けている人が2010年には10万7985人で、3年間で7133人増加していること、もう1つは予備軍が減っているからです。厚労省データでは2007年と2012年を比較し、糖尿病が890万→950万の60万人増に対し、予備軍は1320万→1100万で220万人減です。母数が減るということは割合が増えますから、1.05%という数値は10年もたつと2%くらいまで増えてしまうかもしれません。

 

ちょっと長いですが続けます。

次に糖尿病にかかってから透析になるまでの期間と、透析をどのくらいの期間やるのか、を考えてみましょう。

糖尿病になってから糖尿病性腎症になり透析導入となるまでの期間には個人差がありますが、一説には10年程度と言われます。また糖尿病性腎症で透析をしている人の導入後の5年生存率は約60%だそうです。これも通説ですが、慢性腎炎なんかで透析する人の余命が10-15年程度と言われるのに対して、糖尿病性腎症で透析になるとだいたい5-10年くらいの余命と言われます。透析医療もだんだん進化していて、今後治療成績が改善することを期待し、ここでは10年ということで考えましょう。

 

だいたい数値が出そろいましたね。

では、話をわかりやすくするため、人口5万人のT市(あくまでも架空の市です)でふるすまを導入することになったとしましょう。

まず、透析のコストを計算してみます。

この市で現在予備軍に当たる人は、全体の10%として5000人。

そのうち10年後に半分が糖尿病になるとして2500人。

さらにその10年後に透析導入になる人が2%として50人。

ちなみに現在武雄市で糖尿病成人症による透析患者は、某CEOによると29人いるそうなので、20年後に50人になっていても妥当な数値かなと思いますね。

その50人が10年間透析を受けるとします。

透析を受けている人の年間医療費ですが、年間400-600万円と言われますので、ここではCEOの言う600万という数値を使って算出したいと思います。

50人×600万円×10年間=30億円。

20-30年後の期間ですが、ざっと30億円の医療費がかかるんですね。すごい額です。

これがふるすま導入で半減させることができれば、15億円の節約になりますね。

 

さて、ふるすまを導入するとこれが防げるということなのですが、ふるすまのコストも計算してみましょう。

今から導入して成果が出るのは30年後という、ちょっと気の遠くなる先ではありますが、未来の子どもたちのためです。

1台2万円を予備軍の5000人に配ります。初期費用は2万×5000人=1億円。

ランニングコストは月1000円だそうです。自治体が払うのか個人負担になるのかはわかりませんが、結局自治体からふるすまへ出て行くお金には変わりがないので、自治体全体の支出として考えましょう。

5000人×1000円×12ヶ月×30年=18億円。

初期費用と合わせて19億円。

透析費用と比べてどうでしょうか。

 

まぁ、所詮野蛮な計算です。

ふるすまの機種変更にかかるお金やメンテ代は含まれていませんし、逆に透析以外の医療費についてはふれていませんから、もっと削減効果があるという見方もあるでしょう。でも、ふるすま持ったからってこの50人が半減することはあってもゼロになることは絶対ないと思うよ。半減してもまだコストのほうが多いわけだし。

ざっくり計算してもこのくらいです。ふるすまは決してコストパフォーマンスに優れた企画とは言えないんじゃないですかね。医療費以外にインフラとして使えるからいいとかいう人もいるだろうけど、だったらどのくらいの経済効果があるのか計算して教えてほしいですね。

しかも、途中で書きましたが、すでに予備軍はこの5年で減っているんです。もっとお金のかからない方法を考えるべきだと僕は思いますけどね。