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武雄の小児救急医療は今。

まったく、僕はどうしてタイムリーにブログを更新できないのか、と思うのだが、今回はツイッターでめずらしく市長からメンションをもらったので、書いてみた。

僕の過去のツイートを見てもらうとときどき病院関連のことをつぶやいているのですでにお察しかもしれないが、僕は医療関係者の端くれである。だからそうじゃない人に比べると多少は内部に踏み込んだ話がわかる。また、いち武雄市民でもあるので、同時に市民の声の1つを発信しているということにもなる。

 

ところでツイッターでもすでに先日投稿したのであるが、今武雄市には小児救急を担当する病院がない。通常の小児科は市内に開業医が点在しているが、救急は担っていない。唯一時間外の小児救急を診てくれるのが、医師会の休日急患センターである。ここは平日夜間は21時まで小児救急(重症以外)を診療してくれる。担当の先生は市内外から非常勤で来るのだが、このうち半分弱は嬉野医療センターからの応援でまかなわれている。

さて、武雄市で病院と言えば市民病院が民間移譲され新武雄病院になったことが有名である。新武雄病院のスタンスの1つに「救急車を断らない」というのがある。この恩恵を受けた人も少なくないだろう。僕は救急ではないが、新武雄病院にお世話になったこともある。当たり障りのない病気だったので民間移譲していたからよかったということもなければ、悪かったと思うこともなかった。

ただ、僕の親戚の子供(武雄市内在住)は民間移譲されて困った一人である。

その子は喘息持ちで、今はあまり発作は出ないそうだが、小さいころは家での簡易吸入でおさまらないことが年に1、2回あり、そういう時は救急病院での治療が必要になるわけだ。新武雄病院に民間移譲したすぐのころだったか、ある夜発作で病院に駆け込み診療してもらったことがあったそうだ。それから数ヶ月の後にまた同じようになり再度駆け込んだのだが、なぜかこの2回目のときは「子供は診ませんので」と受付で突っぱねられたらしい。結果的には知り合いの看護師さんに遭遇できて診療を頼むことができたらしいが(今思えばこの時期は過渡期だったのかもしれない)、それからは新武雄病院には行けなくなり、休日急患センターか嬉野医療センターを利用しているということだった。

また近所の友人の子供は、日曜日に額がぱっくり割れるけがをしたのであちこちの病院に電話をし、嬉野医療センターで診てもらったと言っていた。

 

ツイッターでも書いたが、池友会グループ全体が「子供お断り」になっているようだ(これは実際にいくつかのグループ病院で確認した)。インフルエンザの予防接種も子供はしてもらえないことになっている。

小児科は産科とならんで訴訟リスクの高い診療科であり、診療報酬もかかる人件費を考えると決して高くはない。いわんや小児救急においてをや。よっぽど上手にやらないと赤字になる不採算部門なのだろう。担当する医師の不足もあるだろうし、民間病院なら切り捨てる理由としては十分だろうと思う。

市民病院には小児科がなかった。でも小児診療はやっていた。小児科でない、内科や外科の先生が診てくれていた。専門医じゃない不安もあるだろうが、医師も「自分の診療可能な範疇を越えていれば他医に紹介、相談する」というトレーニングは皆受けているので、適切な診療は提供されていたはずだ。もしそうでなければたくさんの訴訟が起きていたかもしれないし、そうでなくても「市民病院に行けばまずい小児診療を施される」と噂が立てば、子供が受診すること自体を市民がためらっただろう。

 

新武雄病院ができてよかったこともたくさんあるだろう。だけどこういう負の一面もあるということ。ことさらに主張する気はないけど、そういう一市民の声も、「悪いところはどんどん見直す」市長様なら吸い上げて欲しいと思うのはおかしいだろうか。まぁ、僕は特殊市民で一般市民ではないので放置されるだろうけどね。

 

そうそう、仕事仲間が昨年末の新武雄病院の忘年会に出席した際、院長があいさつで「お隣の嬉野市に近々巨大な病院ができるんですよ、ウチにとっては打撃です、市長なんとかしてもらえませんかね」と言ったそうだ。そう言えば嬉野医療センターが2018年をめどに新築移転するんだった。

武雄の小児救急はこれだけ嬉野医療センターに依存しているのにね。